おせち料理の由来 子供
子供の頃から、当たり前の風習として、
お正月にはおせち料理を食べてきたという方は多いと思いますが、
その由来などについては、改めて思い出そうとすると、
案外よく知らない…という方も、多いのではないでしょうか?
これは、上記のように、当たり前の風習すぎて、深く気にすることなく調べる事も無く
今まで過ごしてきてしまったからではないかと思います。
誰かが話題にしたり説明してくれなければ、わざわざ知る機会もないですし、
また、知らなくても、今まで特に支障が無かったから、というのも大きな理由でしょう。
しかし今までがそうだったとしても、これからも知らないままでOKとは限りません。
たとえばもし、今度のお正月に子供から「どうしてお正月におせち料理を食べるの~?」
なんて、質問されたら、どうします?
「ママそんなこと知らないよ~」と答えて済ませることも出来るかもしれませんが、
大人はなんでも知っている、パパもママもなんでも知っている、と信じている子供は
返ってきた答えがそれだと、「大人は凄くない…」とガッカリすることでしょう^^;
逆に、子供にもわかりやすく、おせち料理の由来を話してあげたら
きっと凄く喜んで満足してくれますし、また、お子さんの中でのあなたへの評価は
「やっぱり何でも知ってる!すごい!」と、さらに上がるでしょうね。
また、子供から質問が無かったとしても、おせち料理を食べながら、
さりげなく「これを食べると良く勉強ができるようになるよ~」なんて話してあげるのも、
お正月の家族団欒の楽しい話題づくりとして、役立ちますよ。
もしかしたら、料理のおめでたい効果を信じて、
苦手な食材なども、食べてくれるようになるかもしれませんしね。
というわけで、今回はこの、おせち料理の由来について、ご紹介します!
子供に説明がしやすいように、説明の仕方なども、わかりやすくまとめてみましたので、
お正月の家族団欒での話題として、
また子供からの質問にきちんと答えて、好奇心を満たしてあげるための知識として、
ぜひ、お役立て下さいね!
まずは先に大人が理解しておこう!おせち料理の由来について
おせち料理のはじまりは?
おせち料理は、漢字では「お節料理」と書きます。
この言葉は、「節供(せっく)」「節句(せっく)」または「節日(せちにち)」という、
大昔に中国から暦と共に日本に伝わってきた、季節の変わり目の祝日と、
その日に神様へのお供えとして作られていた
「御節供(おせちく)」という料理からきています。
節句には、以下の5つの日(五節句)があります。
人日(じんじつ):1月7日 七草の節句
上巳(じょうし):3月3日 桃の節句・雛祭
端午(たんご):5月5日 菖蒲の節句
七夕(しちせき):7月7日 七夕(たなばた)
重陽(ちょうよう):9月9日 菊の節句
そう、節句とは、よく知られている、ひな祭りとか、こどもの日とか、
七夕とかの祝日のことなんですね。
大昔は、日本の宮廷において、この5つの節句の日全て、節会(せちえ)と呼ばれる
宴会が開かれ、祝儀料理が作られており、
そのすべてが御節供(おせちく)と呼ばれていました。
やがて、この「御節供」は五節句の中でも最も重要な、
人日の節句の正月料理の事だけを指すようになり、
この風習が江戸時代になると庶民にまで伝わると、「おせち料理」と呼ばれ、
正月三が日若しくは七日にかけての松の内食べるものとされるようになりました。
ただし、現代でもお正月のおせち料理とは別に、人日の七草粥や、上巳の白酒など、
節句の祝賀料理の風習として残っているものもありますよ。
おせち料理をお正月に食べる意味は?
お正月とは、五穀豊穣を司る年神様をお迎えし、
新年を幸福を授けていただく行事です。
そして、おせち料理は前述したとおり、元々は節句に神様に供える祝賀料理でしたが、
お正月の料理のみを指すようになったことで、
このお正月にやってくる年神様に供える、縁起物の料理、という意味になりました。
ですので、おせち料理の中身には、
五穀豊穣や、家内安全、家族の健康、子孫繁栄などの、年神様への祈りを込めた、
海の幸や山の幸をふんだんに盛り込まれています。
ちなみに、「神様へのお供えの料理なのに、私たちが食べてもいいの?」と
思われる方も居るかもしれませんが…
これは、日本には昔から、神様と一緒に食事をする共食という考え方があり、
おせち料理も、家にお迎えした年神様と、一緒に頂くもの、
と考えられているので、家族で美味しくいただいて全く問題ありません。
また、お正月の三が日(1月1日~3日まで)は、
火や刃物を使うことや、洗い物をしてはいけないといわれています。
これは、
火を使わない=かまどの神様を休ませる
洗い物をしない=福の神を流して追い出してしまわないように
という意味があります。
これを守り、三が日に調理をせずとも、料理が食べられるように、
日持ちがするおせち料理を大晦日に用意し、年が明けたら皆で頂くわけです。
このように、お正月に食べるおせち料理には、
ただの、お正月を楽しく祝う豪華で美味しいごちそうというだけでなく、
年神様や、かまどの神様、福の神様など
神様への祈りや、気遣いの意味があるのです。
子供にも分かりやすい!おせち料理の意味と由来
前述では、大人向けのおせち料理の由来を解説しましたが、
これをそのまま子供にペラペラ話しても、多分、
「難しくてよくわからない」「つまんな~い」と言われちゃいますよね。
そこで、子供にもわかりやすい、おせち料理の由来の説明の例文をご紹介します。
子供からの質問を想定して、まとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
質問1:『どうしておせち料理って名前なの?』
1年の中でも特別な日を節句とか節日というんだよ。
その日には昔から、神様に御節供(おせちく)という、ごちそうをお供えをしていたの。
それが今は、おせち料理と呼ばれるようになったんだよ。
質問2:どうしてお正月におせち料理を食べるの?
お正月は、みんなの家に年神様という、神様が来る日なんだよ。
この神様に、今年も良い年でありますようにとお願いするために、
おめでたいおせち料理をたくさん作ってお供えして、みんなで食べるんだよ。
それにお正月は、いつも台所で家族を守ってくれている、かまどの神様に
休んでもらう日でもあるんだよ。
台所で火や包丁を使うと、神様が私たちを守るお仕事を休めないから、
お正月は台所を使わずに、おせち料理を食べて、神様に休んでもらうんだよ。
おせち料理について子供から訊かれる質問は、大抵は以上のふたつなのですが、
おせちに関して要点をまとめて答えるのが一番難しい質問も、このふたつだと思います。
ですので、これらを、あまり長くなりすぎずにまとめた感じで、
答えの例文を作ってみました。
これを答えたことで、もしかしたら更なる質問攻めにあうかもしれませんが、
その場合は、必要に応じて、前項の大人向けのおせち料理由来の解説から、
少し簡単な言葉に直して、教えてあげてくださいね。
大人も子供もわかりやすい!おせち料理の中身の意味
おせち料理のお重の中には、沢山の種類の料理が入っていますが、
その料理のひとつひとつには、全て、おめでたい意味が込められています。
たとえば、数の子なら子孫繁栄、栗きんとんは蓄財、とかです。
でもこれ、どの料理に、それぞれどんな意味がと、全てを詳しく知っている方は
なかなか居られないのではないでしょうか?
しかし、子供がおせち料理になぜ?という疑問を持ったら、
全体的なおせちの由来では済まず、中身にも触れてくる可能性は高いです。
そうなった時も、できれば、きちんと最後まで答えてあげたいですよね。
というわけで、ここでは、おせち料理の中身について、
入っている料理で主なものをいくつか選んで、わかりやすく意味を解説します。
大人にも子供にもわかるように、理解しやすい言葉で書いていきますので、
ぜひ、覚えてみてくださいね。
・黒豆
「くろまめ」という名前から、「まめに働けるように」という願いが込められている
・数の子
玉子が沢山あるので、「こどもがたくさんできますように」
という願いが込められている。
・田作り
昔は田んぼの肥料にコイワシを使っていたので、
「畑や田んぼが豊かに、豊作になりますよに」という願いが込められている
・昆布巻き
「昆布(こんぶ)」が「よろこんぶ」=「よろこぶ」と読めるので、おめでたい意味になる
・栗きんとん
きんとんは漢字だと「金団」と書くので「金」の字が入っているのと、
料理の色が黄金色でおめでたい感じがするので、
「お金が貯まりますように」「もうかりますように」などお金の運の願いが込められている
・紅白なます
お祝いの時に使う封筒などについている紅白の水引と見た目が似ているので、
おめでたいお祝いごとの意味がある
・紅白かまぼこ
紅白の色は昔からおめでたいことをあらわしている
・たたきごぼう
ごぼうは細く長くしっかりと根を張る植物なので、そんなごぼうのような長所を持った
人間になってほしい、なりたい、という願いがこめられている。
・伊達巻き
伊達巻きは、昔の書物である巻物に形が似ているので、
勉強がよくできるようになりますように、という願いが込められている
・海老
海老は長いひげを生やし、腰が曲がった形をしていて、
まるで長生きした老人のような見た目をしていることから、
「長生きできますように」という願いがこめられている
・鰤(ぶり)
鰤は、大きくなるたびに名前が変わっていく魚(出世魚という)であることから、
「出世できますように」「えらい人になれますように」という願いが込められている
・蓮根(れんこん)
穴があいているので、「見通しが良くなる」という意味がある
・金柑(きんかん)
きんかんは、黄金のかんむりである「金冠」と読み方が同じなので、
宝物や財宝という意味があり、
「お金が沢山手に入りますように」など、お金の運の願いが込められている
以上、おせち料理について、
大人がざっと把握するための由来、子供に分かりやすく由来を説明するための例文、
また大人も子供も理解しやすい、おせち料理の中身の意味のご紹介でした。
項目があって、覚えるのが大変に思うかも知れませんが、
お子さんから質問された際に、わかりやすく、きちんと答えられれば、
「パパ(ママ)さすが、すご~い!」と、尊敬の眼差しを向けてもらえますし
「なんだ、知らないのか…」とガッカリさせてしまうこともないので、
いつまでも、子供の憧れの大人や親でいるために、ぜひ頑張って覚えてみてください。
もし、全て覚えるのが難しい!という場合も、
訊かれたり、必要になったらすぐに説明ができるように、
「ここを読めば解決!」とだけ覚えておいて、
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お正月にお子さんから、おせち料理について質問された際の答えの参考や、
家族でおせち料理を囲んでの、楽しい家族団欒での話題のひとつとして
この記事が、お役にたてれば、とっても嬉しいです。